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キッズスマホは小学校高学年に必要か 学力低下の元凶?

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小学校高学年では「ほしいもの」の1位に挙がることも多くなった子供向けのキッズスマホ。子どもにとって本当にプラスになるのか、学力の面も考慮しながら考えます。

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キッズスマホは小学校高学年に必要か 学力低下の元凶?

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お母さん、高校受験で慌てても遅いです!(キッズスマホを考える前に)

塾の講師をしていたころ、高校受験を控えた中3のお母様に切羽詰っている方が多くいらっしゃいました。たいていは次のようなケースです。

・親としては最低でも○○高校に入れたい
・中学の成績や模擬テストの成績が伸びてこない
・親が言っても聞かないので塾でなんとかしてほしい

ご家庭での親子喧嘩の様子が簡単に想像できました。こういうときに塾の講師としてなかなか言えなかったのが次の2点。

・学ぶ力は小学校高学年までに土台ができていることが多く、とくに英数国は短期間で伸ばすには限界があります。
・親や塾が心の奥まで完全に管理できるのは小学生までです。中学生は自我が芽生えるので宿題等で強制しても実質が伴わないこともあります。

小学生までと違い中学生は自我が強くなる時期。教科に関心がなければ、いくら監視を強化して宿題を増やしても間違いなく心は上の空。やっつけ仕事になり、なかなか効果が出ません。

さらに最近は小学校時代の基礎的な知識や体験が不足し伸ばしようがないという生徒も目立つようになってきました。極端な例だと「ヨーロッパ」が何であるか知らない、もちろん位置も知らないというお子さんもいました。おそらく親御さんが忙しくあまり教育に時間を割けなかったのだと思いますが、できれば以下のようなプロセスが必要でした。

・小学校低学年 お母様が地元を一緒に歩き、建物、自然、乗り物などいろいろと見たり触ったりさせながら説明をしてほしかった。
・小学校高学年 低学年の段階で地元の地形をつかめれば、地元の地図に興味を持たない子はいません。地球儀や世界地図を見ながら子どもに働きかけることで「ヨーロッパ」ぐらいは簡単に覚えられたはずだった。

要するに、反抗期になったり「学ぶ力の土台」がある程度固まってしまった中学生の段階では、親や塾ができることは知れているのです。すると小学校高学年は親が存分に威力を発揮できる最後のチャンス。これはきわめて重要な問題で、キッズスマホ(ジュニアスマホ)を与えるべきか与えないべきか、慎重に考えていく必要があります。

小学校「低」学年において子供にキッズスマホ(ジュニアスマホ)を与えるべきか。このサイトの見解は以下の通りでした。

・小学校低学年では、実体験が重要。屋外やおもちゃでの遊びが依然として理想的
・小学校低学年では、言語体験は書籍類(絵本、まんが等)で行うのが理想
・したがってキッズスマホは与えず、キッズ携帯(おもに電話機能)が望ましい

キッズスマホは小学校低学年に必要か

小学校高学年では、どう考えればよいでしょうか?

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子供向けキッズスマホを小学校高学年に与えるべきか

小学校高学年は主に低学年に引き続き「具体的なことをしっかりつかむ」訓練を続け、徐々に「抽象的な思考」への準備を進める時期でもあります。「具体的なことをしっかりつかむ」というのは、例えば近所や旅先を歩き、建物、自然、乗り物などいろいろと見たり触ったりしながら具体像をつかんでいくことです。

高学年になってくるとそういった体験の貯金を生かし「抽象的な思考」ができるようになってきます。例えば、山を多く見てきた子どもならば、高学年になれば地図の等高線が分かるようになってきます。街を多く見てきた子どもならば、高学年になれば地図上の道路、鉄道、役所などのさまざまな施設等が分かるようになってきます。

また、これまでに見てきたものごとの記憶を手がかりにして、テレビのニュースで流れてくる日本全体に起きていることをイメージする力が徐々についてきます。早い子どもなら汚職事件くらいは分かるようになってくるのです。

したがって、小学校高学年の子どもが周りから遅れないようにするためには、低学年から引き続いて具体的な体験をさらに積ませつつ、さらに「抽象的な思考」への準備を進めることが主眼となってきます。

小学校高学年はズバリ「具体と抽象をつなぐ時期」

もし話が複雑すぎるようでしたら、小学校高学年は次のように割り切っていただいても結構です。

小学校高学年=具体と抽象をつなぐ時期

小学校低学年で得た「柿」「みかん」の体験を『果樹園という産業』の理解に。「焼きさんま」や「寿司」の体験を『漁業』に。「豆腐屋」の体験を『豆腐屋の経営は現在なぜ大変なのか』に。「コンクリート」の体験を『石灰石のでき方』『耐震性』に。具体的な像を抽象的な次元に押し広げていくのが小学校高学年の時期です。

前後の流れをまとめると次のようになります。

小学校低学年……具体的なものをつかむ時期
小学校高学年……具体と抽象をつなぐ時期
中学校……抽象的思考を鍛える時期

 

キャプチャ

上は「栃尾の油揚げ」(=長岡市名物の大きくて歯ごたえのよい油揚げ)と上杉謙信(=戦国時代の越後の武将)が合体したゆるキャラ「あぶらげんしん」です。

小学校低学年……かわいい、面白いと思い、絵に描く(具体的思考)
小学校高学年……「栃尾の油揚げ」からその生産地に興味を持ったり、上杉謙信から戦国時代に興味を持ったりする(具体と抽象をつなぐ思考)
中学生……新潟の産業に関心を持ったり、なぜ近年ゆるキャラが多く存在するのかに関心を持つ(抽象的思考)

こういったイメージを持っていただくとよいと思います。

小学校高学年にキッズスマホ(ジュニアスマホ)を買い与えてよいのか

では「具体と抽象をつなぐ」大切な時期である小学校高学年にスマホを買い与えてよいのでしょうか。

結論から言えば、低学年の子どもと違いある程度の実体験を頭の引き出しに貯金している訳ですので、絶対に駄目とは言い切れない段階に成長してきています。実際に体験したさまざまな具体的な記憶を、キッズスマホの辞書機能や「ヤフーきっず」のコンテンツなどを使って抽象的な知識や概念に押し広げていくことが可能な時期です。

以前はこの役割を書籍や重い百科事典がになっていました。スマホのよいところは、疑問を持ったことをその場で調べることができる点です。図鑑やデスクトップ型のパソコンはどうしても家に帰ってからということになり、移ろいやすい子どもの好奇心に応えてくれるとは限りません。

もちろん子供にキッズスマホ(ジュニアスマホ)をあえて与えないという選択肢も否定しません。現在までの図鑑や本、机上のパソコンなどを使った教育でも十分にうまくいっているからです。

もし、お子さんの安全管理などの目的もありキッズスマホ(ジュニアスマホ)を与える場合は、たとえば次のように親御さんが方針を決めるのが望ましいです。

・明るいうちは屋外で実体験を積ませる。そのときに疑問に感じたことはスマホで調べることを許可する(サブツールとして使わせる)。ゲームは禁止または厳しめの制限時間を与える。

・家庭では言語体験をしっかり積ませるために良質な書籍、新聞など価値の高いコンテンツをしっかり与えつつ、疑問に感じたことはスマホで調べさせる習慣をつける(サブツールとして使わせる)。

・テレビは極力保護者が一緒に見るようにし、内容を深める問いかけをした、その場で疑問点を調べさせるる(ここでもサブツールとして使用)。

高学年に見せるサイトは例えば「ウィキペディア」

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このサイトで小学校高学年の使用をおすすめしているコンテンツは以下の通り。

ヤフーキッズ、weblio辞典、ニュースサイト
詳細 ➡キッズスマホでおすすめの学習アプリ(教育サイト)は?
 

ネット上の無料百科事典である「Wikipedia(ウィキペディア)」では、例えば子どもが「あんこ」について興味を持ち調べると次のように表示されます。

餡(あん)には肉や野菜を用いる塩味系統と豆や芋などを用いる甘味系統があるも、豆や芋を用いる餡も砂糖が普及するまでは、塩味のいわゆる塩餡であった。日本へは聖徳太子の時代に中国から伝来したとされ、中国菓子で用いられる肉餡がその原形となっていると考えられている。アズキを用いた小豆餡が開発されたのは鎌倉時代であるとされる。当初は塩餡であったが、安土桃山時代になって甘い餡が用いられるようになったともいわれる。(一部抜粋)

・あんこは、もともとは小豆(あずき)を使っていなかった!
・あんこは、安土桃山時代以前は甘くなかった!

このように小学校高学年なら好奇心をかきたてられそうな内容が多く詰まっています。Wikipediaは、以前は正確性に疑問があり参考にしてはならないとよく言われていましたが、現在は質の低いウェブサイトが激増したこと。またWikipediaが一つ一つの記述に細かく根拠を求めていることもあり、相対的な正確さは大きく増しています。

確かに家庭に百科事典を全巻置いておけばいいのですが、引くのに時間がかかりますし、関連事項へのリンクもありません。Wikipediaなら、興味があれば上の「あん」の説明に出てくる「鎌倉時代」「安土桃山時代」などを数珠つなぎに調べることも可能です。紙の媒体に対し、好奇心に即座に応え、関連知識を爆発的に伸ばすことができるのがキッズスマホ(ジュニアスマホ)の強みなのです。

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