スマホのカメラ機能が進化しています。そのため、中学生・高校生にはカメラを与えず、スマホで十分という家庭が増えています。この記事では、中学生・高校生とカメラについて考えてみます。
この記事の内容をお伝えします
驚くほど進化したスマホのカメラ
スマホのカメラ性能は、驚くほど進化し、10年前のデジカメより、格段に良くなっています。特にiPhoneのカメラの進化は著しく、2012年発売のiPhone5の段階で、屋外の標準的な撮影では、すでに完成の域に達しています。上の秋田新幹線の画像は、iPhone5Sで撮影したものです。
スマホのカメラ性能
- iPhone、Xperia(エクスペリア)が特に優秀。10年前のデジカメでは、かなわない。
- その他の機種(アンドロイド全般)は、10年前のデジカメに近い性能。
iPhoneは、実はソニー製のイメージセンサ(=画像処理エンジン)が使われており、一方のXperiaはソニー製。現在のスマホのカメラは、画素数やレンズの明るさなどは横並びで、頭脳であるイメージセンサの性能で決まるのです。このようにスマホのカメラの進化が著しいため、中学生・高校生には、スマホがあればカメラは不要という考え方にもうなずけます。
iPhoneに対抗し、デジカメも進化していた
一方、こちらはコンパクトデジカメ(キャノン製)による撮影です。iPhoneで撮影した秋田新幹線に比べ、車体の光沢や細かい部分の描写は、圧倒的に上であることが分かります。スマホの進化に慌てたデジカメ陣営は、ここ数年でデジカメを大きく作り変えていたのです。
コンデジ(コンパクトデジカメ)とは?
コンデジは、iPhoneなどに追いつかれイメージが落ちたデジカメの印象を改善するために、メーカーが使っている新語です。一般に、コンデジと呼ばれる機種は、10年前のデジカメとは一線を画し、iPhoneでも太刀打ちできない画像の美しさを誇ります。
中学生・高校生にカメラを与える理由は?
スマホにせよ、デジカメにせよ、そもそも中学生・高校生にカメラを与える理由はどこにあるのでしょうか?
- 友人とのLINE・ツイッターでのコミュニケーションやインスタ等で、カメラが必須である。
- 趣味として写真に興味を持ち、欲しがるようになった。
- 将来につながる1つの要素として、写真に取り組ませたい。
こういった理由がよく聞かれます。小学生の場合は、好奇心や自然・文化への興味を喚起するという面がありましたが、中学生・高校生の場合は、LINE・ツイッターの普及で、学校生活になくてはならないという要素があります。一方、インスタグラム級の写真を志す場合、将来の一助として、絵的なセンスや芸術性を育てる要素があります。
中学生・高校生には、スマホかデジカメか
中学生・高校生には、スマホで十分なのか、それともデジカメも与えるべきなのでしょうか?
それは、目的によって異なります。
- LINEやツイッターなど日常で使うためのもの … スマホのカメラで十分。一般的なアンドロイドでも十分。iPhoneやXperia(エクスペリア)ではやや過剰装備に。
- インスタグラム用など本格的な撮影をしたい場合 … iPhoneやXperia(エクスペリア)も含めてスマホはNG。近年のコンデジには、画像の質が大きく劣り、露出・絞りなどを調整できず、機械任せのため、センスは育たない。
LINEやツイッターは、友達と出かけた場所や、珍しい食べ物・シーンなど日常を切り取るものですので、スマホで構いません。一方、インスタグラムに載せられるような、しっかりした写真を撮らせたいなら、スマホでは全く足りません。
インスタグラムに載るような、しっかりした写真は、上のように絞りを工夫して撮影することも多くあります。2017年に相次いで発売されたiPhone 8/8Plus 、iPhone Xでは、上の写真に似た、背景をぼかす写真を撮影する機能がありますが、実は2枚の写真を自動合成するだけ。被写体と背景のピントの差が露骨であり、比べればニセモノであることは分かってしまいます。
(結論)中学生・高校生にカメラを与えるなら、スマホかデジカメか?
中学生・高校生にカメラを与えるなら、スマホかデジカメか、どちらが良いのでしょうか?
①もし、LINEやツイッター程度の日常のスナップ写真としての使用、あるいは取りあえず様子を見たい場合は、スマホで十分です。この場合、むしろゲームや動画視聴の時間をしっかりと制限し、勉強に目を向けさせられるかが、機種選びの決め手になります。
詳細:中学生・高校生のスマホ おすすめ機種ランキング[保護者向け記事]
②インスタグラムへの掲載に耐えるような、本格的な写真を撮らせたいなら、デジカメが候補となります。いきなり高価なものを買い与えるのは心配という場合には、ニコンが未成年向けに発売しているデジカメが候補となります。耐水、耐衝撃機能が高いため、壊してしまう確率は少ないでしょう。
Nikonの未成年向けデジカメCOOLPIX W100の口コミです(Amazonの口コミより)。
- 先日ニコンのサイトで公開されたファームウェア(v1.2)を適用したところ電池の持ちがかなり改善された。以前はフル充電後電源OFF状態で3日しか持たなかったが、1週間以上持っている。
- 通信機能を全てoffにして、更に機内モードにして使っています。結果として、電池の消耗は、それほど気になりません。
- 価格の割に画像が良く、とても満足しています。各地で撮った写真を見返す時に、海中の写真が無く、何となく物足りない感じがしていました。やはり、海中の写真があると全然違います。良い旅の記録になると思います。
- おもちゃにしては良く撮れて楽しい。立体感やボケ具合もちゃんとしたカメラメーカーの雰囲気が感じられる。
- 画像は凄い鮮明には撮れませんが(室内や日陰だとブレやすい)野外ではとても綺麗にとれます!
Nikonの未成年向けデジカメCOOLPIX W100は、安いデジカメとしては、まずまずの評価です。5万円前後のコンパクトデジカメのように、室内も夜景も鮮明に撮れる、遠景をボカすのもお手のもの、通信機能(スマホに画像を飛ばす)を使いつつ数百枚撮影しても1日電池が持つという訳にはいきませんが、うまくつき合えば十分なカメラでしょう。海によく行くご家庭なら、水中撮影ができないコンパクトデジカメを上回る撮影体験ができます。
③絵的なセンスを育てたい、芸術方向の力を確かめてみたいという場合には、4万円前後のコンパクトデジカメが候補になります。コンパクトデジカメもソニー製が良いですが、高額なため、Canonのものがおすすめです(ソニー製に並ぶ画質です)。