小学生にスマホを与えるデメリットと言えば、ゲームや動画にのめり込んでで成績が下がることかしら? このページでは、小学生がスマホを持つことの危険性や問題点を、教育の立場から説明していますよ。
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管理者(加藤)は、小中高全学年の授業経験を持つ、教育業界20年の国家資格キャリアコンサルタント。2014年のサイト創設以来、スマホ販売員とは一線を画し、学力と安全を守るスマホ選びを一貫して提唱しています。
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小学生にスマホを与えるデメリットは6つ
スマホの代表的なデメリットは、ゲームや動画が思い浮かぶけど、最近はLINEでの集団いじめも心配ね。
はい。いずれも正解です。
内閣府の調査(令和2年3月、データ)によると、小学生は、ゲーム、動画、コミュニケーション(LINEなど)に時間を費やしていることが、分かります。これを参考に、教育専門家の立場から、スマホの問題点を挙げてみます。
以上の6つが、小学生にスマホを与える、代表的なデメリットです。
怖いわね……。勉強時間が減って、先々受験を失敗すれば人生が狂ってしまうし、集団いじめは、自ら命を絶つケースもあるのよね。
このページでは、教育専門家の立場から、小学生にスマホを与えるデメリットをしっかりと分析していきます!
デメリット1位 ゲームや動画に熱中し、勉強時間が減ること。
ゲームや動画って、時間がたつのを忘れちゃうし、長時間のめり込んじゃう。本を読む時間や外で遊ぶ時間も減っちゃうわよね。
はい、その通りです。筆者は、人気は高いのですが、パズル系のゲームが問題だと考えます。
ゲームによっては、子どもに何かを伝えたいという、狙いがあると思います。例えば、ポケモンGOは、歴史のある場所や、観光名所を訪ねるなど、外の世界を知ってほしいという狙いを感じられます。
一方、パズル系ゲームは、子どもの時間を奪い、お金に変えることしか、考えられていないように感じます。
そういったゲームなら、本を読ませたいわよね。
はい。文科省の2021年9月の調査でも、本の数が多い家庭ほど、子どもの成績がよいというデータがはっきり出ています(NHKの報道)。
ただ、ゲームや動画には、友達と交流や話題づくりという面もあります。トータルで見ると、1日1時間以内が適切です。
デメリット2位 LINEなど、SNSでのトラブルや集団いじめ。
LINEによる、いじめや呼び出しで、子どもの命が失われたケースは、決して少なくはないのよね。
はい、その通りです。2015年2月には、川崎市の中1男子がLINEで不良仲間に呼び出され、命を落としています。2013年7月には、既読無視のトラブルで、広島県の19歳の男子高校生が、川に突き落とされています。同年には、奈良県の中1女子が、LINEに悪口を書き込まれたあと、命を絶っています。
近年は、小学生へのスマホ普及率が上がっており、同様のトラブルの危険性があります。
例えば、2015年、東京都墨田区立第一寺島小学校で開かれた「スマホの使い方の特別授業」では、夜遅くに友達からLINEメッセージが来て返すのが大変、という声が聞かれました。また、13歳以上の年齢制限で登録できないはずが、Twitterを使っている児童がおり、先生が「すぐやめて!」と注意する一幕もありました。
2020年4月、東京都都民安全推進本部の調査では、「小学生の16%がTwitterを利用、3割が知らない人とSNSでやり取りしたことがある」という、驚きの調査結果が出ています(調査内容)。
スマホを与えないという選択肢は可能?
スマホを与えなければ、LINEやSNSの問題は起きないわよね? 動画くらいなら、家のパソコンで見せることもできるし……。
はい。小2くらいまでなら、子ども向けの携帯(ドコモのキッズケータイ=写真左、auのマモリーノ)で十分です。スマホにはない防犯ブザーがついており、シンプルな操作が特徴です。
おすすめ | できる | できない | ||
幼稚園~小2 | キッズ向け携帯(キッズケータイ、マモリーノ) ヒント 迷子になる、外出は「おつかい」程度 | 指定先との通話 居場所確認 防犯ブザー (セコムとの提携可) | LINE インターネット | |
小3~中学生 | スマートフォン(アンドロイド) ヒント ひんぱんな外遊び、塾通いが始まる | LINE 居場所確認 通話 インターネット | 防犯ブザー |
しかし、子どもがひんぱんに外遊びを始めたり、塾や習い事に通い始める小3以降は、居場所確認とLINEの有用度が高まります。
スマホを与える、与えないの境界線は、居場所確認とLINEの必要性ということね!
データを見ると、小6でも、55%の子どもがスマートフォンを持っていません。(スマートフォン等の利用に関する調査結果報告書)
居場所確認とLINEが必要ないなら、スマホを与えない、あるいはキッズ向け携帯だけを与えるという選択肢も可能です。自宅と小学校の往復が大半、お友達関係を見渡してもLINEがさほど使われていない、という場合には、スマホを与えない選択肢を考慮してください。
もし、与えざるを得ない場合、居場所確認や、ゲーム、動画、SNSを制限できるスマホを与えることが重要です。
デメリット3位 「好奇心、実体験、言葉」 子どもを伸ばす3つの重要な刺激が減ること。
受験に成功する子どもは、好奇心、実体験、言葉の体験の3つの世界を十分に経験しています。例えば、教育熱心なご家庭ほど、わが子を旅行に連れて行きますが、どう説明できるでしょうか?
そうね、旅行に連れてゆくと、普段と何もかもが違うから、好奇心は引き出せるわよね。海で貝がらを集めたり、山で草花を見る実体験ね。それを、本で調べるのが、言葉の体験かしら?
その通りです! 旅先で好奇心を高め、実体験をさせ、調べさせたり親子と対話をしたりという、言葉の体験を積ませる。家族旅行にかかる10万円を、必要な投資だと考えている家庭も多くあります。家庭や学校でよく行われる「あさがおの観察日記」も、この一例です。
わが子から、この貴重な体験を奪うことは簡単です。制限機能のない、スマホを与えれば良いのです。子どもは、刺激が強く単純なくり返しから構成されたパズルゲームや、ひまつぶしのための動画に、貴重な時間を、根こそぎ奪われるでしょう。
Appleのジョブズは、子どもにスマホを与えなかった。それでもスマホにメリットはある?
iPhoneを製造しているApple社の創業者がジョブズ氏。ジョブズが、自身の子にスマホを与えなかったのは、有名な話です。ジョブズは、好奇心、実体験、言葉の体験の3つの世界の価値を知っていたのです。
本来なら、子どものそばにずっといて、買い物に付き添わせたり、料理を手伝わせたり、読み聞かせをしたりが理想なのよね。でも、共働きだとそうもいかなくて……。
はい。現在は、共働きが不通となり、子どもを十分に見られなくなってきていますね。そこで、土日におすすめしたいのは、花の名前を調べるアプリです。
- 好奇心 …母親が外の様子に触れ、外出を促す。
- 体験 …スマホで草花を撮影し、アプリで名前を調べる。ときにはその場で検索する。
- 言葉 …花の特徴を親子で話し、ときには絵日記にまとめるように促す。
スマホは、子供にとって敵にも味方にもなります。それは、お母さんの考え方や、選ぶスマホの機種次第とも言えます。しっかりとした制限機能を持つ機種なら、子どもの教育を味方することもあります。
デメリット4位 歩きスマホによる事故は、意外に多い
歩きスマホによる事故も心配だけど、そんなに起きるものかな?
はい。歩きスマホによる事故は、意外に多く、東京都だけでも歩きスマホで、5年間に211人もが救急車で病院に運ばれています(東京都消防局)。また警察庁は、2016年に、全国で歩きスマホによる、27件の交通死亡事故が発生したと発表しています。
駅のホームでの歩きスマホも要注意です。2016年5月、東京りんかい線の駅のホームで、20代女子学生の死亡事故も起きています。
対策は歩きスマホ警告、時間制限など
この対策としては、歩きスマホ警告の機能があります。大手キャリアでは、ドコモが「あんしんフィルター for docomo」内で歩きスマホ警告を準備しています。auにはこの機能はありません(純正アプリは、2021年2月28日に供給停止)。
格安スマホでは、子ども専用のトーンモバイルが、標準装備しています。
デメリット5位 有害サイトを見てしまうこと
小学生だと、LINEやTwitterだけでなくて、有害サイトと出会ってしまうのも心配ね。
はい。Yahoo!ニュース調べでは、青少年を犯罪から守るために、どの分野の内容を一番制限すべきかという問いに対し、以下のような答えが出ています。(参照元)
- 1位 ポルノ・アダルト 32.8%
- 2位 危険ドラッグ 16.0%
- 3位 暴力 14.5%
- 4位 自殺 12.8%
- 5位 匿名掲示板 11.6%
- 6位 SNS 9.7%
ただ、2018年に青少年インターネット法(※)が定められ、現在では全ての機種に、青少年向けのフィルタの設定が義務づけられています。その意味では、有害サイトに関する心配は、少なくなってきていると言えます。
※青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律
コメント
おたずねしたいことがあります。PTAでスマホのルールブックを作成しているのですが、こちらのサイトを紹介しても大丈夫でしょうか?運営主体が公表されていないので不安がありますが、教えていただくことはできるのでしょうか?
サイトのご紹介は、たいへん有難いです。現在、サイト全体を見直しているため、「子ども向けスマホ.jp」の名前でご紹介いただけると幸いです(個々の記事のご紹介の場合、タイトルやアドレスが変更になる可能性がございます)。トップページから、目的の記事に行けるようにデザインを変更予定です。
運営者は企業でなく個人ですが、教育業界の経験が長く、教育的な観点からは問題がないように編集しています。必要であれば、頂いたメールアドレスにご連絡いたします。