最近は小学生もLINEを使い始めているけど、トラブルや事件に巻き込まれないか心配。実際どの程度トラブルが起きていて、どう対策したらいいの?
内容はもくじから。
スマホの心配ごとがある方へ
小学生のLINE利用率は16% 都市部では31%
データを見ると、小学生のスマホの所持率は45%、LINEなどを使っている子は35%。かけ算すると16%だから、普及はこれからってとこね。
はい、その通りです。ただ、上は全国のデータであり、東京都・神奈川県を対象とした調査では、LINEの利用率は31%に達しています(平成30年度、LINE株式会社の調査)。
気をつけたいのは、LINEは「7割の子が使っていないなら、使わせなければいい」ともならない点です。クラブの連絡網に使われていることがあるほか、とくに女子の仲良しグループが使っていると、使わざるを得ない状況になってしまいます。
なるほどね。使わせなくて済むなら与える必要はないけど、環境次第で、使わざるをえないときにどうするかということね!
小学生のLINEトラブルの事例
小学生のLINEトラブルには、どのようなものがあるのかしら?
はい。重大な事件も報告されていますが、数の面では、事件化されない集団いじめによるトラブルが、1番多いと推測されます。例えば、次のようなケースです。
小学6年生の娘のLINEトラブルです。親としてどのように向き合うのがいいでしょう?
Yahoo!知恵袋
小学6年生の娘ですが、人懐っこく友達とも仲良くしているのですが、時としてしつこく思われるところがあるかもしれません。 それが原因なのかどうなのかはわかりませんが、7月に入ってからLINEで友達から少し気になる内容が載るようになりました。
娘が泣いていたので確認してみると、友達とのグループで、娘の似顔絵をアップし爆笑されていたり、娘をからかったり、娘に対しての嫌みが書いてあったりしました。 10名ほどのグループですが、1人が中心に誹謗中傷の投稿をしていて、周りの数名が絡んできているようです。
このような集団いじめやからかいが、トラブルの中心となると思われます。
今の小学生のいじめ本当怖すぎ💦
— さっっっton🐷 (@r_l_Satomi) August 7, 2020
グループLINEで無視とか抜けさせるとかどころか、表面上皆で喧嘩してるように見せて、裏では"あいつうざい"とか"あいつ嫌だ"って言って、標的の1人を残して全員退出とか😱💦
ちなみにその標的になったのは息子です、、、_| ̄|●
今の小学生のいじめ本当怖すぎ
グループLINEで無視とか抜けさせるとかどころか、表面上皆で喧嘩してるように見せて、裏では”あいつうざい”とか”あいつ嫌だ”って言って、標的の1人を残して全員退出とか
ちなみにその標的になったのは息子です、、、_| ̄|●
親の監視を全体に、みなでけんかをしているように見せ、実は1人を集団でいじめていたというケースも報告されています。
小学生のSNSによる深刻な事件被害は、年に1811人も!
表に出てくるような小学生のLINEトラブルには、どのようなものがあるのかしら?
はい。LINEを含むSNS全体では深刻な事件被害が多く出ています。警視庁によると、2018年にSNSを通じて事件に巻き込まれた小学生は、過去最多の55人でした。
最近では、大阪市の小学6年生の女の子が、伊藤仁士容疑者(35)に誘拐され、栃木県で保護された事件が知られています(2019年11月)。
18歳未満が巻き込まれた事件で、多く使われたSNSは以下の通りです。(朝日新聞による)
- ひま部 214人
- LINE 80人
- マリンチャット 78人
- ツイキャス 46人
参考 このほか、座間9遺体事件で利用されたtwitterは、アカウントが全世界に流出する仕様のため、とくに注意が必要です。
小学生が巻き込まれた事件じたいは、年に55件程度、各都道府県で年1名ずつという程度で、非常に深刻とまでは言えません。また、LINEは普及率の割に、被害者は突出しておらず、アカウントが流出しにくい仕組みは評価できます。
ただ、万一被害に巻き込まれた場合に備え、心がまえや対策は必要です。
LINEが関係した、18歳未満が被害者の主な事件
小学生の場合、女の子なら男性による暴行、男の子なら仲間によるいじめに、とくに注意が必要ね。男女問わず、年長者からの呼び出しによる暴行、同世代からのいじめに対策が必要よ。
年 | 場所 | 被害学年 | 事件内容 |
2015年 | 川崎市 | 中1男子(13) | LINEで不良仲間が呼び出し、命を落とした。 |
2013年7月 | 奈良県 | 中1女子(13) | LINEに悪口を書き込まれたあと、自ら命を絶った。 |
2013年6月 | 広島県 | 高等専修学校女子(16) | 前夜のLINE上の喧嘩が発端となり、男女7人が暴行し、命を落とした。 |
2013年4月 | 神奈川県 | 小6女児(12) | LINEで知り合った会社員(26)が、乗用車で暴行。 |
2013年3月 | 長崎県 | 女子高生(15) | LINEで知り合った会社員の男(32)が、ホテルで暴行。 |
2013年3月 | 神奈川県 | 中学生女子(15) | LINEで知り合った塾講師の男(28)が、ホテルで暴行。 |
2013年2月 | 神奈川県 | 小学生男児 | 中学生男子が、男児を平手打ちする動画を撮影し、LINEに投稿し、友人ら約40人に送信。 |
2013年1月 | 新潟県 | 小6女児(12) | LINEで連絡していた22歳の男性が、関係を強要した。(エキサイトニュース) |
2013年1月 | 14~16歳の少女 | LINEで知り合った会社員の男3人が、関係を持った。 | |
20121月 | 滋賀県 | 16~17歳の少女2人 | LINEで知り合った18歳が睡眠薬を飲ませ、関係を迫ったが未遂だった。 |
20124月 | 奈良市 | 17歳の少女 | LINEで知り合った警察官(24)が、ホテルで関係を持った。 |
LINEで暴行やいじめに巻き込まれないための対策
LINEによる小学生の被害は、おもに①年長者からの暴行(暴力および性的な暴行)、②同世代からの集団いじめが考えられるのね。どう対策すればいいのかしら?
はい。①年長者からの暴行については、18歳未満がIDを公開しても外部から検索できなくするなど、LINE側も仕組みの改善を行っています(LINE公式)。しかし、まったくリスクがないわけではなく、居場所確認ができるスマホを持たせることが、1つの対策となります。
居場所把握機能は、大手キャリア、ワイモバイル、UQ、トーンモバイルのスマホ、またはiPhoneがおすすめです。そのほかは、外部アプリを使用する形となり、性能に不安があります。
集団いじめ対策は、18の約束と利用制限
また、集団いじめについては、まずスマホ18の約束に従い、スマホを親が子に貸し出すものとして、いつでも中身を見ることができると約束しておきます。そのうえで、親の目が行き届きにくい時間帯のLINE利用を禁止することが有効です。
大手キャリア、ワイモバイル、UQ、トーンモバイルのスマホ、またはiPhoneは、指定した時間帯に、機種全体またはLINEを指定しての、利用制限が可能です。
LINEグループは「集団で会話できるが公開されない」という点で、いじめを助長しやすい性格を持っており、ある意味では悪質なSNSです。
- 小学校での会話 … 集団で会話できるが、先生やほかの級友に公開されている。
- twitter、インスタグラム … 集団での会話はできない。
- LINE … 集団での会話ができ、公開もされていない。
閉鎖された空間で同時に多くの人が会話することで、話が極端な方向へ進むことを「リスキーシフト」と呼びます。そして悪口が加速度的に広がり、バッシングとなって収拾がつかなくなることを「サイバーカスケード」(極論の雪崩現象)と呼びます。
LINEは、まるで、親の目が届かない地下室に子どもだけが10人以上いるような、リスクの高い環境です。居場所確認や、LINEの制限については、下のページをご覧ください。
子どもにスマホを与える場合、制限機能がしっかりした機種を与えることで、学力低下を防ぎます。
小学生・子どものスマホや携帯 おすすめ機種を制限重視、学年別に厳選4つ!
コメント
ラインに限らず、閉鎖性の問題について勉強になりました
コメントありがとうございます。
LINEの閉鎖性は非常に問題で、大人がアクセスできるようにすべきです。
フェイスブックはそういう面がありますが、「下手」な親がからかったりするので子どもは使いたがりません。
文中にも記しましたが、LINEの運営側が全書き込みを目視すべきです。
それがコストになり嫌なのなら、子ども向けのSNSを扱う資格はないと思います。
[…] ネット上でも、ちょっとした芸能人への悪口が多くの人の同意を得て加速度的に広がりバッシングとなって収拾がつかなくなることがあります(「サイバーカスケード」と呼びます。 中学や高校での人間関係は、これから中学や高校を選ぶ人向けにネット上でも「いじめが多い」「いじめが少ない」「いじめが全くないし聞いたことがない」などと情報がアップされていることがあります。 ・2013年6月28日 広島県で前夜のLINE上の喧嘩が発端 となり高等専修学校の女子生徒(16)が男女7人に暴行され犠牲に。 明るい性格で島を出るときには数十名に見送られ、川崎市でもすぐに馴染んでおり友人も多数いました。 [紹介元] 子供のキッズスマホ(ジュニアスマホ)にライン(LINE)は必要か […]
ラインはID検索を年齢で分け
警察は性目的のSNSの送信画像や接触は強く監視していますが(学生の彼氏へ送った学生の彼女を捕まえて退学で学生の人生終らせたり…)
誰かに見られている仕組みを導入する事は利用者離れを招き営利の民間ではコストが賄えず、国がそこまでやれば検閲監視にしかなりません。大人に安心して相談できる関係と環境を作る事が何よりも重要です